貧困は人格の欠如ではなく、”金銭の欠如”なのだ。
貧困。
先進国と言われる日本に生きていても、必ず耳にするこの言葉。
JICA時代にも、旅の最中でもいつも脳裏にチラつくこの言葉たち。
「貧困とは、お金がないことが原因である。」
こんなの当たり前だと思うけれど、この言葉を吟味してみた人はそう多くない。
なぜ、お金がないことが貧困につながるのかを深掘りしてみる。
貧困とはなにか。
よく、「そんなことしてるからお金がなくなるんだよ」と聞く。
つまり、一般的には理解されないこと、受け入れられないことをしていると貧困になる
ということなんだろうけれど、本当にこれは正しいのか。
ギャンブル・タバコ・お酒・高価なブランドもの・投機的な資金運用
実際、裕福な人よりかは、貧困と呼ばれる人たちの方がこれらのことに依存している割合が多いというデータは少し調べれば出てくる。
では”そんなこと”が貧困を招いているのか。
貧困の人たちは、先が見えていないのだろうか。
なぜそんなことをしているのか。
貧困は自己責任?
イギリスの鉄の女サッチャー元イギリス首相は
「貧困は性格上の欠陥だ」と言った。
つまり、
貧困の原因は個々人の人間性のよるものであり、IQが低いからだということ主張した。
だからこそ、貧困問題には必ず「自己責任」「自分の行動が招いた結果」などの冷酷な言葉がついて回り、貧困の原因は個人に還元される。
でも本当にそうなんだろうか。
もし仮に原因がこれならば、
貧困者に対してマネーリテラシーを教えたり、
行動の変革を促したりすることで、改善するはずだ。
でも、本当にそれで解決するのか。
貧困は性格上の欠落なのか。
あるアメリカの心理学者が貧困とIQの関係性を探るためにこんな調査をした。
調査対象は サトウキビ農家です。サトウキビ農家では 1年の収入の60%を 年に一度の収穫期で一度に回収するのです。つまり 一年の中で比較的貧乏な時期と裕福な時期とがある。研究チームは農家の人々に知能テストを収穫の前と後に受けてもらいました。その結果は収穫前の成績は収穫後よりも ずっと低かったのです 貧困生活の影響は 知能指数が14下がるのと 同じことであると判明しました。
人は、何かが足りてない時に、ミスする生き物なのだ。
お腹が空いている時、集中力がない時、睡眠が不足している時、パフォーマンスが激減する。
貧困とは常に「何かが足りてないこと」が継続してる状態であると考えられる。
つまり、
貧困の人が愚かな選択をして貧困になっているわけではなく、
愚かな選択しかできない状況にいる人が、貧困になっている。
裕福と言われる人だって、賢いと言われる人だって2日間寝ずに動いたあと、
IQテストを受けたら点数は落ち、愚かな選択をする可能性が上がる。
だからこそ、貧困問題を解決する最初の一歩は、
何かが足りてない状況、愚かな選択をし易くしてしまう状況をなくすことなのだ。
貧困の人に一番足りてないのはお金です。
そこに余裕を持つことができて始めて正しい選択をすることができるようになる。
たった一言で言えば、
「基礎所得保障」(ベーシックインカム)がこの問題を解決する
最速の手段だと考える。
ちなみにアメリカでベーシックインカムを行う試算でこんな例がある。
現代の経済学者が考える最善の予想では 1750億ドルの実費 ― アメリカの軍事費の4分の1 GDP1%に当たる金額で アメリカの貧困者全員が 貧困線から抜け出せます 貧困の撲滅が実現するというデータがある。
約20兆円でアメリカから貧困がなくなる。
アメリカと比べて人口が3分の1の日本ではどうなるか。
単純に考えて3分の1だとして約6兆円。
2021年度の日本の予算は106兆円となっている。
そのうちの5兆がコロナウイルス対策だという。
よくわからないことばっかりしているコロナウイルスの予算で、
日本から貧困がほぼ消えるのだ。
貧困をなくすというのは、思っている以上に簡単なのだ。
ということで
貧困は「人格の欠如」ではなく、シンプルに「金銭の欠如」である
貧困とは、お金がないことが原因である。
最初にみたこの文字とは印象が違っているかと思います。
みんなが当たり前に知っている言葉を深掘りするだけで、
こんなにも面白い世界が待っているのだ。
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