NPO団体へ応募して落ちた話

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あるいは全力のことばたち。
Multi-ethnic group of business persons discussing business

情熱がアツすぎる
そう言われて僕は不採用となった

時は遡り2021年の冬

ぼくはある国際協力のNPO団体へ応募した。
どこかでまだ国際協力へ憧れているところもあるし、
何かチャレンジがしたい、自分がどこまでいけるか試したかった。

一次選考、二次選考をクリアしてついに最終選考
代表との面接になった。

二億年ぶりにスーツを着て、都内のオフィスに出向き、
誰もいないオフィスで代表と一対一になった。

結論から言えば僕は不採用になった。
もちろん悔しさもあるし、ちょっとした憤りも感じた。
でもそれ以上に、すごく学びのある時間でもあった。

代表は、僕に不採用を告げた後、
丁寧にフィードバックをしてくれた。

「本当ならわざわざしないんだけど、菊地くんにはまだ未来があるし、これから役立ててもらえれば」と不採用になった理由をその場で話してくれた。

 

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僕がなぜ落ちたのか

 

1つ目の理由
「情熱が強すぎる」ということだった。


この理由を聞いて何がダメなんだろうと僕は率直に思ったのだけれど、
曰く、熱い想いは大切だけど、世の中それだけではない。
誰もがやりたくないような単純作業や退屈な事務仕事、それが土台にあって国際協力の仕事がある。
情熱や熱い想いがあればあるほど、見えないところにある仕事とのギャップに苦しむことになる。
そこを危惧しているとのことだった。

面接を振り返れば面接では、僕が団体でやりたいこと、惹かれている理由など
どこか想いだけを伝えることが多かった。
でも実際にはその背景まで視野に入れて自分が働くというイメージを伝える必要があったのだ。
なるほど、とても納得した。

思えば大学生の頃、
とても面倒をみてくれている教授に、
菊地はパッションはすごいあるけど、ロジックがないと言われていた。
どうやら、僕はまだあまり成長していなかったようだ。パッションだけではなく、冷静に物事を見る力が今の僕に足りていなかったのだ。と反省した。


二つ目
周りへのリスペクトが足りない。

正直これは本当にその通りだと思って、何も言えずただ深く反省した。
NPO団体を受けるということは、転職を意味し、それは当然ながら現職を辞めることになる。

面接中に
一年も経たず、辞めるという選択に対して、どう思うかという質問があった。
僕は僕の想いをシンプルに伝えたのだけど、それがダメだった。

理由として挙げられたのは、
自分が辞めるということは自分だけの問題ではなくて、
周りの人間、そして自分を雇ってくれている会社への影響を考えなくてはならない。
僕を採用するにあたって、会社が支払ってきたコストに対して自分はどれだけ返せてきたのか。
ここの視点が抜けていた。

もちろんこれは「だから恩を返すまで転職するな」ではなくて、
転職する際に、そこに葛藤することが大事なのだ、ということだった。

転職するにあたって、恩を返していない。それでも自分が生きたい世界がある。
申し訳ないと思うが、それでも自分は行きたいんだ。
その葛藤が周りに対するリスペクトなのだ。と代表は言った。

僕は現職を嫌いなわけでもなく、むしろかなり良い職場と感じているし、文句も何もない。
ただそこだけではなく、もういっこ踏み込んで視野を広げる必要があった。

ぐうの音もでなかった。
でも確かに僕に足りないものだった。

そんなこんなで僕のNPOへの挑戦は終わった。
とは言え、これが終わりではなくて、また次へのスタートでもあるな、と僕は思う。
こうやって失敗して、学んで次の一歩を繰り出すことが何よりも大事なのだと心の奥底から思う。

周りと比べて何かをしていないとか、成し遂げていないとか、そういうことをみて焦ることはあるけれど、それでいいじゃないか。
もっと自分本位に挑戦を続けていきたい。そんな学びがある出会いだった。
本当に素敵な人と一対一で話せて、目を見て話してくれて、名前を読んで話してくれて、
代表には感謝しかない。

そして、なによりもビビらずにめんどさがらずに挑戦した自分自身にナイスプレイ。

そんなことを思いながらラッシュを過ぎたガラガラの電車に一人座りながら僕は家路に着いたのだった。

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