バックパッカー
旅をしていると色んな旅人に出会う。
色んな過去を持ち、まだ見ぬ未来へ向かって進む人
多くを語らず、ただその轍でその道を語る。
すこし変わったクールな人間。
ではない。
めちゃくちゃ人間だから!
大学入学式後一週間と同じくらいに
空気の読み合い、
マウントの取り合いが行われるから!!
ということで、
今日はそのバックパッカーあるあるを。
(「日本人」のね。)
期間が長いやつがえらいという風潮
例えばあなたがどっかの宿にいたとしよう。
そしてそこへ新しい旅人が来たとしよう
その刹那
走る緊張
「こんにちはー」
「あ、どうも。こんにちはー」
とりあえずの会話でお互いの距離感を測る。
一瞬の沈黙。
もうお互いに間合いに入っているのだ。
下手に動いたらーーーーー
殺られる。
「どちらからこられたんですか?」
まずは、「先にこの宿にいた」という地の利を活かして
こちら軽いジャブを放つ。
そう、
相手の出方を伺うのだ。
相手側の対応は基本的に、
ここでは大きく分けて2種類のタイプがある
・今までの旅の行程を、大まかではあるが語るタイプ
そして
・直前までいた国、もしくは都市名だけを述べるタイプ
である。
将棋で言えば
一手目で
角の右前の歩を進めるタイプか
棒銀戦法でくるか。
そんくらいの違いだ。
ここからはタイプ別に見ていこう
多くを語るタイプ
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あぁ、アジアからアフリカ行ってー
そこからメキシコ入ったって感じですかねぇ。
それでここに来たって感じです。
あ、ヨーロッパも少し回りましたー。
はっきり言おう。
この手のタイプは相手にならぬ。
なぜならすでに手の内を晒しているからだ。
後述するように、
バックパッカーのマウントの取り合いで圧倒的に有利なのは、
後攻だ。
先手でこのように手札のカードを切ってしまうのは愚の骨頂でしかない。
このタイミングで私は勝ちを確信する。
一般的に、
旅慣れた人、
旅人として経験がすごくある人、
1、2年旅をしている人
ほど
この法則を熟知しているため、多くを語らない傾向にある。
本当に怖いのは、次のタイプだ。
多くを語らないタイプ
あ、「メキシコ」からです。
この一言が返ってきた時、
私たちは警戒しなくてはならない。
敵の戦闘力がまだわからないからだ。
しかも、
一応「返答はした」
ということで、こちらにターンが回ってきてしまう。
待ち伏せしてたら
その手前でピタッと止まられた気分である。
出たらその隙を突かれる。。。
しかし、隠れているのも精神を使う。。。
苦しい。。。
だが、ここで
「そうなんですねぇー」
で終わってしまうと、
「そっちから仕掛けたくせに、ビビったな」
と相手に精神的有利を譲ることになる。
だからと言って迂闊に自分のことを語り出すこともできない。
八方塞がりだ。
できることならこの前哨戦で勝負を決めたかったが
そう甘くはなかったみたいだ。
期間という最終兵器
そこで、最終決戦に持ち込むことになる。
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「どのくらい旅しているんですか?」
この一言はいわゆる
宣戦布告と同義である。
要は、
じゃんけんぽ・・・
まで言ったも当然。
必ず勝敗がつく。
もう後戻りはできない。
はっきり言おう。
バックパッカーのマウントの取り合いで最強なのが、
期間というものだ。
8ヶ月旅している奴は
3ヶ月の旅人より偉い。
1年が経つと特殊ポイントがついて、
中堅レベルまで上がる。
周辺諸国ではなく、
色んな国を回ってると
追加ボーナスがつく。
特にアフリカを挟んでいると
ポイント2倍。
これで勝ったものが、
旅人という種において、絶対的上位に立つ。
負けたら素直に、
すごいですねぇーーー
と首を垂れて、負けを認め、
褒め称えるほかない。
要は、
旅の期間とはその旅人の戦闘力。
「どのくらい旅しているんですか?」
というスカウターを使い、戦闘力をチェックするのだ。
やはり後攻
この最終決戦においても、
やはり後攻が優位。
なぜなら仮に相手が「8ヶ月」と言ったとき
負けてる場合は、
へぇ、すごいですねぇーー!
自分なんてまだ半年ですヨォ〜
などとヘラヘラして、
もともと勝負する気はありませんでしたよ
と言わんばかりに謙虚に出れる。
つまり、
明確な負け
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ではなく、
限りなく引き分けに近い負けに持ち込むことができる。
一方で
自分の方が長かった場合、
「へーー。」
とだけ返せば良い。
すると戦時中の相手は
なに・・・こいつは「8ヶ月」という期間で動じないというのか。。。?
と困惑し、
しびれを切らし、
そちらは?と聞かざるを得ない状況に追い込めるのだ。
そして答える
「一年くらいですかねぇ。。。」
(正確には10、11ヶ月でも、
多くの旅人は特殊ポイント目当てで「1年」と答えることが多い。)
このカウンターが一番強い。
引き出して、喋らせて、気持ちよくした上で
叩き潰す。
そう。
先攻、つまり先に語り出すと
限りなく引き分けに近い勝ち
か
カウンターでボコボコにされる負け
しかない。
一方で
後攻だと、
カウンターでボコボコにすした明確な勝ち
か
限りなく引き分けに近い負けしかないのだ。
だからこそ、語った方が負ける世界であり、
カウンターがモノを言う。
昔から沈黙は金
というがおそらくあれはこういうことだ。
究極必殺カウンター
ちなみに
僕はまだこっちにきて2週間という
戦闘力5のゴミ、
村人Aとあまり変わらない。
そうなってくると
戦闘力半年、一年くらいの中堅旅人に
あ、じゃあまだ日本食恋しくないですね 笑
とか
え、今日本ってどうなってるんですか?
とか
気持ちよくなるための踏み台とされてしまう。
だが僕の場合、
あえてそれを甘んじて受け入れてる。
そうですねぇ。
まだ日本でて2週間くらいなんでー
とか
あ、メキシコから入ってまだ2カ国目なんで。。。
卑下しまくる。
すると大体のやつは気を良くして
この国気をつけた方がいいすよー
とか
2週間目どこにいたっけなぁ。。
とか
語り出す。
それを全て吸い込むのだ。
最後のカウンターに備えて。
時には
「この辺って英語どうなんですか?」
とあえて質問をし、
「あ、ここらへん全然通じないよ。
ま、なんとかしてっけど。」
「あーそうなんですね。まぁ、もともと僕英語全然なんで
関係ないっすけどね。笑」(伏線)
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「あ、そうなんだ笑」
(これで相手はさらにマウントを取った気になる)
というのちの布石の打っておく。
将棋でいう、
王の逃げ道に角を効かせておくのだ。
そして
相手の気を良くして、全てのカードを出し切らすのだ。
そして相手がぽろっと
中南米初めて?
とか
中南米気をつけなよ?
とか
英語できないとこの先厳しいんじゃない?
とか
そういう先輩風からのお節介を焼いた時、
出すのだ。
逆襲のカウンターを
そうですよねぇ。。
ここら辺危ないですよねぇ。
ま、僕が住んでたパナマはそうでもなかったですけどね。
「え・・・?住んでたの?」
あ、一応、JICAのボランティアとしてですけど。2年ね。
「え、JICAの・・・?」
だからまぁ、この中南米のことそれなりにわかるし、
ま、グアテマラの友達もいるんでわからないことは聞いてみます。
「あ、そうなんだ・・・」
にしてもグアテマラのスペイン語って
パナマと全然違ってビックリですよー
ま、それがスペイン語の面白いところなんですけどね。
(言語の伏線回収)
「あ。話せるんだ。。あ。。そ。う。。。」
期間・働いていた・言語
というトライアングルアタック受けた後では
何人たりとも眼前に立っていられない。
ふはははははは。
これが僕の残す轍である。
(この物語はフィクションです。)
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コメント
駆け引きしているときが一番ワクワクするもんだよねー!恋もですが笑笑
笑
恋もまた、然り。その通りです笑