人を動かす心理学 2 エビで鯛をつれ!

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あるいは全力のことばたち。

 

はい。こんにちは。

 

前回の記事でご紹介した

SEIYUが行なった

天才的な手法はいかがだったでしょうか。

 

確かに。。。

なるほど。。

と思うことがあったのではないでしょうか。

 

 

要は、SEIYUは

人間の心理を利用して、

たった2円で世界を変えたわけです。

 

 

そして

その時に利用したのが

 

(集団)心理学用語でいう、

 

エビで鯛を釣る。

です。

 

今日はこの

 

エビで鯛を釣る

 

についての解説をしていきましょう。

 

 

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前回のおさらい

 

 

SEIYUが行なった

のは、

ビニール袋の有料化。

 

しかしそれを

 

支払わせるのではなくて、

割引にする

 

という手法をとりました。

 

 

なぜか。

 

繰り返しですが、

人間は

利益と不利益にものすごく敏感

 

そこを利用してSEIYUは有料化を行なった。

ただ、ビニール袋に値段をつけただけでも、

 

人は不利益を避けるため、

ビニール袋を使わなくなったでしょう。

 

しかし、

 

人間のモチベーションは、

不利益を避けるよりも、

利益を得る方に強い関心を示します。

 

 

2円お金を取るだけでは、

確かに、SEIYUのビニール袋は削減されるが、

 

利用者は損をしている気になって、

タダで袋をもらえる他のスーパーに流れます。

 

だって、そっちには利益があるから。

 

不利益<利益ですね

 

なので、SEIYUは

利益を与えなくてはならないと考えて

 

2円割引をしたのです

 

これだと利用者は他へは流れません。

利益がSEIYUにはあるから。

 

それどころか

 

他では価値が0円だったビニール袋が

SEIYUでは+2円の価値になる。

 

つまり他のスーパーにはない利益があるため、

他スーパーから利用者の集客を見込めるというおまけもある。

 

すげー!!!

天才的!

と思える反面

忘れてはいけないことがあります。

 

それは、

 

SEIYUは最初に

不利益を被ったという事実を忘れてはいけません。

 

ここに

 

「エビで鯛を釣る」

 

という言葉の真髄があります。

 

エビで鯛を釣るとは

 

 

通常100円のお会計で、

 

「ビニール袋いらない」

とお客さんが言ったら、

 

お会計は

98円になるわけです。

 

つまり、SEIYUが2円をお客さんに渡しているということ。

 

この2円こそがエビなのです。

 

さて、

ここで考えなくてはいけない点は二つ

 

1 エビの価値

 

2 鯛の価値

 

です。

それぞれを見ていきましょう。

 

エビの価値

 

エビというのは、わかりやすく言えば

利用者を惹きつける餌です。

 

仮にSEIYUのビニール袋の値段が

 

0・1円だったとしましょう。

 

するとどうでしょう。

 

おそらく、ビニール袋は削減されなかったでしょう。

 

なぜなら

利用者である人間は

 

無意識に、不利益と利益を天秤にかけるからです。

 

つまり、

0・1円の利益

 

 

マイバックを持ち歩く不利益

 

どっちが大きいかです。

 

おそらく、

 

0・1円くらいなら払ってもいい。

マイバックを持つ方がめんどくさい。

 

と多くの人は思うため、結局人は動きません。

 

一方で、

ビニール袋が10円だったとしましょう。

 

SEIYUはケチだ、

 

人間の不利益を避ける心理が働いて

利用者が他へ流れていく。

 

 

では、10円を割引にしたらどうなるか。

 

もちろん人は

利益を求める心理が働いて

利用者は殺到するだろうし、

結果としてビニール袋が減ります。

 

ところが、

これではスーパー側の経営に響きます。

 

最終的に

品物の値段が上げる等の対策をしなくてはならないようになる。

もしくは仕組みを変える必要性が出てくる。

 

つまり、結局あんまり効果が出ない。

 

要は

差し出す餌の価値は適正なものではなくてはいけません。

 

これがエビの価値です。

 

面白いことに、

エビは、

安くても高くても

 

どっかで誰かしらに不利益が生まれてしまう。

 

しかし、

 

あるところでは、

 

お互いに利益がでるポイントがある。

 

釣り用語にもポイントってありますよね。

どこで釣るかの場所。

 

それがそのままここにも使われている。

 

 

 

エビは普通の餌にしては高級

つまり利用者にとっては利益に映る。

 

ただ、エビは鯛を釣る餌としてはお得

つまり、スーパー側にも利益が出る

 

「エビ」というのにはそういう意味が込められています。

 

 

SEIYUにとってはそれが、

 

「2円」の「割引」

 

だったわけです。

 

この針の穴を通すような

戦略があってこの作戦は成功したわけですね。

 

では次

 

鯛の価値について

 

鯛の価値

 

結局これもエビと関連する話ですが、

要は、

何を釣り上げるのか

 

ということです。

 

エビでエビを釣っても仕方ないわけです。

 

かならず餌よりもお得なものを釣らなくてはならない

 

つまり、利益と不利益のバランスを考えるわけです。

 

利用者にとっても利益になりうるギリギリのところ

自分たちの最大の利益を目指す。

 

2円の割引というのは

大手スーパーにとって小さいものではありません。

 

しかし、それで得られたものは、

 

・利用者の増加

・環境問題へのPR

・自社のビニール袋のポイ捨てによる悪影響の軽減

 

でした。

 

もしこれがさっきも例に挙げたように

10円の割引だったとしましょう。

 

これだと、

先ほど得られたものとバランスが取れなくなるわけです。

むしろ、金銭的にマイナス

 

そのお金でもっと色々できたわ!!

となるわけで。

 

企業も集団心理の塊。

損になることは絶対しない。

 

何を釣るか。

そのためにはどのレベルの餌までつけられるか。

これが重要なわけですね。

 

 

おしまいに

 

ということで

まとめ。

 

 

エビで鯛を釣る時はその餌と

釣りあげるものを考えなくてはいけないよ。

 

その時には、利用者の心理、

つまり不利益<利益を利用した上で

釣れるものを探しなさいよ。

 

ということ。

 

伊勢海老で鯛を釣ろうとしてもダメだし、

 

その辺の虫でマグロは釣れない。

 

 

具体的に言えば、

 

100円で200円を買えるなら人は喜んで買う。

 

でも

 

100円で20円を買う人なんていない。

 

だからSEIYUは

一度100円で20円を買った

(その損は利用者への利益として変換された)

 

 

後に、

その20円で200円の価値を手に入れた

 

結果的に自分は100円で200円の得をしたし、

利用者も80円得をした。

 

結局いろんな人を幸せにした。

 

エビで鯛が釣れて、

みんなで美味しくいただいた。

 

という話。

 

 

これが経済に関連する心理学の基礎だけれども、

 

もっとがっつり集団心理に関連する話、

 

例えば

弱い紐帯、強い紐帯(ちゅうたい)

 

つまり、

人と人はどのような形でつながっているか

 

10人の人がいて、

そのうち何人動けば他がついてくるようになるか

 

その時に効率よく他を引っ張るにはどうするか

 

という話もありまして。

 

それはまた希望があれば

またいつか。

 

 

 

 

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