大学院とは何かー修士論文の書き方ー

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大学院のこと



はい。
ついに来ました。
大学院生が必ずぶち当たる壁。

修士論文


今回は

『修士論文とはなにか』

『その書き方について』

ご紹介します。
まぁ、結論としては、
死ぬほどきつい。
でも頑張れ。


に尽きます。

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修士論文とはなにか。

えー
修士論文とは何か。


一言で言ったら、
大学院を修了するために必ず書かなくてはならない
論文です。 

まぁ、いわゆる
大学を卒業する時に多くの人が経験した
卒業論文みたいなものです

根本的に違うのは、


文量
クオリティ
です。

よく言われるのが、
卒業論文は
参加賞
修士論文は
努力賞

です。
まぁ、細かい話を見て行きましょう。

修士論文の文量


これは実際のところ、
決まってません。

理系なのか、文系なのかで量は変わってきます。
もちろん所属する大学・ゼミによっても変わります。

僕の場合は
ワードで70枚程度、
文量で言ったら大体
7万字ちょい
ですかね。
このくらい書きました。

でもぶっちゃけた話、
これでもギリギリラインかと、、、
というか少ないレベルです。

まだ本格的に取り組んでない方から見れば
え、こんなに書くの?となりますが、
こんくらいには絶対なります

なぜかと言いますと、

修士論文の根本的な考え方として
論理性、根拠をしっかりと提示していかなくてはなりません。

要は、言葉一つ一つの定義や、
今までの研究がどのようなものであったか(先行研究)
ということをしっかりなぞっていくのが求められます。
なので、
分量が少ない
根拠不十分・先行研究の不足

という風に捉えられてしまうのです。
なので、しっかりとそういう土台を作っていくと、
必然的に分量は増えて行きます。

もちろん、
分量だけでなく、クオリティも求められるわけですが。。。

修士論文のクオリティ

クオリティ・・・
こればっかりは僕がどうこう言える話ではないので、
基本的な考え方だけの紹介になります。

論文のクオリティとはなにか、
という話ですが、
大事なのは大きくわけて2つ

論理性

独自性

です。
修士論文における論理性というのは、
自分の脳みそだけで

AはBである!
と主張するだけでなく、

どうしてそう主張できるのか、

ということを丁寧に説明しなくてはなりません。

例えば、
AはBである!という主張をするとします。
そしてそのような趣旨の論文を書いたとしましょう。

その後、
いろんな人が自分の論文を読んで、

なるほどなぁ。確かにその通りかも知れん。

と納得できるかどうか。

ここが大きなポイントです。
え、そうは思えないんだけど。本当にそう?

となってしまったら、
それは論理性が欠けている、ということになります。
つまり
論理的な文章ではない

ということになるのです。
なので、いろんな文献や、定説をなぞり、
引用し、取り入れていくという段階がめっちゃ重要なのです。

これを丁寧にやったら必然的に文量が増えるというわけですね。


次に独自性の話

独自性とはなんぞや、
という話ですが、つまりは、

あなたの主張は
誰かのマネではなく
オリジナリティ溢れ、価値のあるものか。


ということです。

論理を構築するがゆえに、
誰かの研究を参考にするというのはめちゃくちゃ重要ですが、
それをしまくり、結論までその人と同じであったら、意味がありません。
そこには自分なりの答えがないといけないわけです。

修士論文を書く上で求められるバランスは、

8割  先行研究(論理性)
2割  独自性

です。

圧倒的に論理性(先行研究)が大事なのですが、
とはいえ、昨日までなかった新たな結論

ない論文は

価値がないわけです。
ちーん・・・

イメージでいうと、
今までの人が積み上げてきた

階段を一つ一つ確かめながら登り

一番上に来た時に、
一つだけ新しい階段を積む。

そういうイメージで修士論文の場合はいいかと思います。

ただ登っただけじゃ意味ないよ。
同じ景色を見ても意味ないよ
何か付け足してね


というのが基本的な考え方なわけですね。

じゃあ、そろそろ具体的な内容に入りましょうか。。。

(といっても僕自身、他人にとやかく言えるレベルではないことを
先に伝えときます)

修士論文の書き方


いくつかのステップがあるので、
それを順に見ていきましょう。

テーマ選び

当たり前ですが、
これがないと一生始まらないわけですね。

つまりは何を書くか。

最初の段階ではこれは結構曖昧でいいと思います。

例えば僕の場合、
フリースクールの存在意義ってどんなのかなぁ。。
という漠然としたイメージでテーマを決めました。

先行研究

これ。何度も言ってますが、
これが一番大事

テーマがなんとなく定まったら、
ひたすらその分野に関連しまくる本や論文を読みまくります。

そうすると当たり前のように、いろんな議論が見えて来ます。

フリースクールはこういう点で良い!
とか
世界ではこういう風に扱われている!

とか。

それを読んで、自分のテーマをより明確にして行きます。

「フリースクールの存在意義」ってなんとなく考えてたけど、

じゃあ、もう少し具体的に

世界と比較した上で
日本のフリースクールの存在意義の
良さについて考えてみようかな。

と多少詳しくなる。
もちろんまだまだ曖昧。

ということで、新しく加わったキーワード
「世界のフリースクール」の文献

「日本の」フリースクールの文献を読み進めていくわけです。

この繰り返しで少しずつ少しずつ

輪郭が見えてくる。。。ような気がして来ます。

修士論文の観点


そんな感じでいろいろと漁っていると
この人の主張すごくわかる!
もしくは気にくわない

というのが出てくる。

そういう人を自分の修士論文のメインの参謀役に置くわけです。

例えば僕の場合は、
フリースクールの創始者と言われる、
ニイルさんにどハマりしたわけです。

ええこと言うなぁ。ニイルさん。
僕が言いたかったこと言ってくれてるやん!
みたいな出会いです。

そこで、ニイルの文献やそれに関する論文を読み漁り、
キーワードを拾っていく。

二イルでいうなら、
「自由と放任」「公教育との関係性」「主体的な学び」
等々が見えてくる。

こういうキーワードが見えて来て、
ようやく自分のテーマの観点が決めれるようになってくる。
観点とは、大きなテーマをどのような視点でみるか、ということ。
つまりは方法とか、どう言った面で?とかそういうところ。
。。。説明が難しい。。。

例えば僕の場合このタイミングで、

日本のフリースクールの意義を
二イルの「主体的な学び」という観点から見てみよう

という風に。

フリースクールの意義!と言ってもとっても広い。
世界と比べると言っても何をどのように?
じゃあ、日本のフリースクールのOOという意義を、
ニイルのこの観点から捉えてみます!という流れになる。

後はひたすら読みまくる。


こういう風にテーマが決まったら
キーワードを意識しながら
それに関連する分野の論文や本を読んで読んで読んで読みまくる
同時に自分のテーマの目的や存在価値を意識していく。
例えば、
「日本のフリースクールの存在意義を
主体的な学びという観点から捉え直す」

となんとなく決めても、不十分なところはたくさんあります。

例えば
捉え直すと言ってるが、

*なぜ捉え直す必要があるのか
*現状に不都合があるのか。

日本のフリースクール・世界のフリースクールは
今まで、現在はどのような観点で捉えられているのか

フリースクールの歴史の研究を行う

主体的な学びとはどういう意味なのか
二イルはどういう意図でその言葉を使っているのか、

言葉の定義やその文脈等の研究(思想研究)

が始まるわけです。
そうしていくとだんだん、日本のフリースクールは
世界のフリースクールから比較して、
どうやら不登校生の受け皿としての役割が強いみたいだ

とか
主体的な学びというは
好き勝手に勉強するという意味ではなく、
責任の伴った自由の範疇、
ある意味での不自由の中で学ぶことらしいぞ


ということがわかってくるわけです。

もちろんこれら全ては
まだまだ先行研究の域を出ていません。

あくまで土台をなぞっているだけです。

なのでこれをまとめても、それは必要性(独自性)のない
ただのレポートになってしまいます。

しかし、こういう作業をひたすら繰り返していくと、

この点はどうなんだろうなぁ。。。
という探しても読んでも見つからない部分が出て来ます

それこそが、
その研究の独自性であり目指すべきゴールな訳です。

要旨:書いて書いて書きまくる

なんとなくゴールが見えて来た 。
キーワードも見えてきた。

そうしたらあとはひたすら書くだけです。

といっても何を書くの?
という話ですが、
まずは
論文の設計図を書きます。


大学院の中ではこれを
要旨といいます。


要旨には主に、

・タイトル
・現状の問題
・目的と方法
・先行研究
・章立て

が最低限必要かと。

(順番はそこまで大事じゃない)

要旨の例

ちょっとだけ具体的に見てみましょう。

現状の問題には

今、OOはこのような状況がある!
この状況はこういう場面でやばい!
だから新しいモノを考えなくちゃ!

というようにこの研究の必要性を述べます。

つぎに目的と方法ですが、

その必要性をクリアするように

この論文では
OOのこの状況を打破したい!

そのために、この方法を使っていくぞ!

みたいな感じで書きます。

そんで先行研究では、
今までOOはこれでいいと言われていたけれど、
現在状況がこーなって、あーなって。。。
誰かがこんな風に言ってて、、

というように背景の説明

もちろん全てが、
自分の研究の必要性を後押しするような
ものである必要があります。

章立てはまぁ、
論文をおおまかこんな感じで書くよ、
という話です。

いわゆる
目次みたいなもの。

一応僕が書いた要旨の一部を載っけます。
全部乗っけるとそれなりに長いので。。。

 本研究の目的は、フリースクールの現代的意義を、「主体的な学び」という観点から明らかにすることである。近年のフリースクールは従来の「居場所」としての機能から「教育の場」としての機能、すなわち「学校化」が進んでおり、まさに転換期ともいえる状況に直面している。そのため、従来の認識では今日のフリースクールを捉えることができなくなってきており、フリースクールの現代的意義が改めて問われている。

 諸外国のフリースクールは従来から学校外に位置し、独自の教育実践を行うことで学校教育のオルタナティブを提供したり、学校を外部から批判したりする機能を持っていた。一方日本では「不登校の居場所」として独自に機能してきた。しかし近年では・・・


とまぁ、こんな感じです。


一段落目では
自分の研究の目的とこれをやらなくちゃまずいよー
ということを書いています。

要はフリースクールのあり方が今少しずつ変わってきてて、
今のままじゃよくわからん状況になっちゃうよ!
改めて現代版のフリースクールってなにか考えようよ!

ということを述べてますね。

二段落目では、
先行研究を書いています。

もともと世界のフリースクールはこういうあり方で、
こういう機能を持っていた。

一方日本はこういう機能でした。。。
ところが、最近ではこういう風に変わってきてて。。

というように、背景を述べてますね。

続きとしては、
その方向性が、
あのフリースクールの創始者であるニイルの考え方に似てきていて、
特に主体的な学びという点で。なので、現代の日本のフリースクールは
二イルのフリースクール像を参考にしたらうまく捉えられるのではないか

という風に方法が続いていくわけです。

まぁ、こんな感じで書いていたのです。

今改めてみたらまだまだツッコミどころ満載なわけなんですけどね。

なんで現代的な意義を問わなくてはならないのだ。なんで今のままではダメなの?
そのデメリットは?

などなど。。。

とまぁ、
こういう風に要旨を
大体ワード2枚くらいにまとめます。

そしてその設計図が書けたら、
あとはひたすらそれの
肉付けです

・二イルってこういう人です
・国内外のフリースクールの歴史
など
細かい情報をどんどん詰め込んでいき、
最終的に、現代のフリースクールはこういう意義があるんだ!

ということを主張して、書き上げるわけです。

いやーーー
一年じゃ足らん!

修士論文の書き方


ということで、
修士論文の書き方を紹介して見ました。
大学や所属場所によって多少の違いはあるにせよ、
基本的にはこんな感じで論文を書いていきます。

こうやってみると、簡単そうに見えるでしょう。

あっはっはっは





書いてみろ。



院生の前で

簡単そうとか言ったら




マジで殴られる





号泣されるぞ。

本当はもっと細かく書きたい部分があるのですが、
一度に詰め込んでも仕方ないので、今日はこの辺でさよなら。


でもとにかく言いたい。


諦めるな。

ちなみに、こういう観点があると
多少は書きやすくなるかも。。。
文献を読む際に参考にして見てください。

 

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あと、忘れてはいけない、悪魔の儀式。
修士論文の口頭試問についてまとめたので、
ついでにご覧ください。

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