ひまじんがふざけて本気の山に登るとどうなるか 3(パナマ ボルカンバル 登山)

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ひまじんの挑戦シリーズ

山好きの皆様、どうか僕らを叱らないで下さい。

このシリーズは山を軽視しているわけではなく、

ふざけたノリで山に行くと地獄を見るぞ。という反面教師的な側面を担っています。

これを読んでふざけた人がいなくなることを心より願っております。

という趣旨で一つよろしくお願いします。

もう一度言います。

山好きの皆様、どうか僕らを叱らないで下さい。

 


第一回

山をナメるな編

ひまじんがふざけて本気の山に登るとどうなるか。(パナマ ボルカンバル 登山)
山好きの皆様、どうか僕らを叱らないで下さい。このシリーズは山を軽視しているわけではなく、ふざけたノリで山に行くと地獄を見るぞ。という反面教師的な側面を担っています。これを読んでふざけた人がいなくなることを心より願っております...

 

第二回

バイブス上げていけ編

ひまじんがふざけて本気の山に登るとどうなるか。2 (パナマ ボルカンバル 登山)
山好きの皆様、どうか僕らを叱らないで下さい。このシリーズは山を軽視しているわけではなく、ふざけたノリで山に行くと地獄を見るぞ。という反面教師的な側面を担っています。これを読んでふざけた人がいなくなることを心より願っております。と...

 

 

 


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教訓 9 デートの前日はちゃんと寝ろ。

 

深夜3時

生きとし生けるものの大半が眠りにつくとき、

 

僕とK君は

 

なぜか知らないけれどパナマ1高い山、

富士山と同等の高さを誇る山をただ歩いていた。

 

 

まだ半分しか来ていない

 

その現実を見ないふりしてただ歩く。

 

 

でもね、でもね。

めちゃくちゃしんどいのよ。

 

というかかなり危機的状況。

 

後でわかったことなんだけど、

このエリアがこの山で一番しんどいところ。

この登り始めてから3〜4時間目あたりが

一番勾配が急で、さらにクネクネ道、

石ころも岩のようなサイズとなり、さらに風も強い。

 

今までの場所とは比べものにならない

地獄のような場所

 

そんな最中

 

食料も底をつき始め、

体力の限界も来て

眠さも限界にきた

さらにバイブスという意味もわからない言葉のブームも去った。

 

 

 

てかさ、てかさ、

17時の段階で山に登ろう

って決めるまではいいよ。

 

お菓子や食料のチョイスも100歩譲ろう。

難易度わからなかったもんね。

 

 

でもさ、オールで山登るって分かってんだったら寝とけ。と。

 

あの時の自分。

マリオカートとかして遊んでんじゃねぇよ。と。

 

 

僕の生涯の中で二番目に後悔した。

 

 

ちなみに一番目は

 

ある女性との初めてのお泊りデート前日、

友達とオールしてしまったことで、

デート当日、お昼集合にも関わらず寝坊した。

 

挙句の果てに泊まる場所についた時、

映画でもみようか。

ってなったけど寝不足のため一瞬にして寝てしまい、

 

ふと目を覚ました時に彼女の姿がなく、

 

トイレかな?って思って携帯見たら「帰るわ」ってメッセージが来てた時。

 

 

あのときは少し泣いた。

あれほど自分に絶望し、腹が立った夜はなかった。

 

ちなみになぜかその場所のシャワーが壊れてて水しか出なかったけど

自分への罰として20分浴びた。

 

 

おっと脱線してしまった。

 

教訓 10 パンドラの箱の最後は「希望」である

 

 

とにかくそれほどまでに厳しい時間帯だった。

 

なんていうか、走馬灯を見たきがする。

K君との会話もなく、

ただただ、歩いては立ち止まり、

立ち止まっては歩く。

 

本当に険しい道だった。

 

何がしんどいって、

この一歩が本当に頂上へと続いているのか不安な気持ちのまま歩くこと
(なんたってMapないんだもん。あいみょんのせいで。)

 

 

しかし、

この地獄のような空気が一瞬にして変わった出来事があった。

 

 

絶望に打ちひしがれ、

体温を奪われないようにタオルを下敷きにして座っていた時のことだった。

 

足音が聞こえた。

見るとそこには一緒にバスに乗っていたドイツ人の二人組だった。

軽く挨拶を交わす。

 

ここでふと気づく。

 

 

バスや、登山口で見た時、

彼らは確かに3人だった

 

しかし、今目の前にいるのは2人

 

一人、、、消えている。。。

 

まさか。。。

 

恐る恐る尋ねてみる。

 

「もう一人、いなかった。。?」

 

 

一人が寂しそうに呟いた

 

「彼女はもう限界だった。下山したよ。」

 

 

「そう。。なんだ。。」

 

さっきより一段と深まった闇の中、

そのまま僕らは二人組を見送った

 

 

もう・・ダメかもしれないな。

 

言葉が現実として僕らの行く手を阻む。

 

K君もただ呆然と隣でなにかブツブツ呟いてる。

よく耳を傾けると小声で

 

「バイブス、、、バイブス、、、」と呟いていた

 

 

ついに彼も壊れてしまった。

 

 

僕はなんだかもう全てがどうでもよくなった。

 

そして、僕も

あまりに眠く、少しだけ目を閉じてしまった。

 

その刹那、

悪魔と死神がタッグを組んで心地よい睡魔が押し寄せる。

 

 

気分は完全にパトラッシュ。

(ちなみにパトラッシュは犬だから正式には死なない。でも気にしないで)

 

あぁ、マジでもうダメだ。このまま眠りたい

そう思いかけた時

 

再び足音が聞近づいて来た。

 

 

「おいお前ら大丈夫か?」

 

 

その声の主はどっからどう見ても

半袖で普通のリュックを背負ったパナマ人だった。

 

僕たちは目を疑った。

 

寒さと絶望に打ちひしがれている僕らと対照的に

彼はとてつもない笑顔だった。

 

ていうかおい。

半袖ってなんやねん。

気温3度もないぞここ。

標高考えろ。

準備してこい。

山をナメんな。

 

 

完璧なブーメランであることにも気付かず

僕は脳内でひたすら彼を毒づいた。

 

そして、彼が言った

 

「ここがこの山で一番きついところだから。

ここを抜けたらもう簡単だよ」

 

 

彼は天使だった。

いや、あるいは悪魔だったかもしれない。

 

パトラッシュのように、

疲れ果てた僕を迎えに来た天使だったら

そのまま僕を楽にしてくれるから良かったものの、

 

彼のその一言で再び希望が見えてしまったのだ。

 

 

まだ、歩ける。いや、歩くしかない!

 

 

そうして、

登山家You tuber Kが誕生したのだった。

 

 

 

ボルカン 登山 4

 

 

登山家You Tuber Kの名言

 

「あいつは山をナメている」

「一番きついところをスイスイ行きやがる」

「あいつが準備不足。飲んでもねぇし、食べてもねぇ」

「Hay que pasarlo bien」

 

教訓 11 Hay que はとても便利な表現

 

さて、

You tuberとなったK君が

言った「Hay que pasarlo bien」

という言葉ですが、

 

これは、あのサッカー選手

久保建英選手がインタビューで使った言葉であります。

 

 

Hay que+不定詞は

 

「〜しなくてはならない」という意味なります。

似たような表現に

Tener que +不定詞

がありますが、この場合主語を明確にする必要があります。

 

例えば、食べるという動詞Comerを使う場合、

Tiene que comer

(あなたは)食べなきゃいけないよ

という意味になります。

一方で、Hay que comer は

明確な主語を持たず、(一般的・みんな)食べなきゃいけない

という広い意味になります。

 

このHay que はかなり 広い場面で使われるので覚えていて損はありません。

 

ちなみに、Hay queの後に続いたPasarは

「通る」という意味がメインですが、

 

「過ぎる」「行う」という意味でも使われます。

 

そしてBien は「うまく」「上手に」という意味があり、

Pasarの後にくっついてる「lo」は「それを」という意味で使われています。

 

つまり、Hay que pasarlo bien

 

「それを(「登山」を指している)うまくやるしかない」

→「とにかく頑張って登るしかない」

 

といった意味として訳してもいいでしょう。

 

 

今日のレッスンはここまで。

 

次回は

 

「地獄へ落ちろ」のスペイン語の解説です。

 

 

 

教訓12 明けない夜はない。だが、明けるまでには時間はかかる。

 

深夜、富士山級の山にノリで挑んで

激しく後悔している僕らに追い風を吹いたのは、

 

携帯のバッテリーを奪っていったあいみょんでもなく、

 

謎の言葉「バイブス」でもなく、

 

マイナス近い温度のこの山を半袖

颯爽と駆け抜けるパナマ人だった。

 

 

あまりのレベルの差に、嘆くどころか、

笑っちゃうくらい余裕を見せつけられ

 

なんかこっちまで余裕なんじゃないかと勘違いするほど

元気づけられた。

 

あれ、僕らもいけるかも!

 

だって、あいつ半袖だぞ。

リュックも小学生が

ちょっと背伸びしてお母さんに買ってもらったリュック

みたいなので登ってたもん。

 

 

なぜかそれで僕たちはとても元気が出た。

 

 

そして気づいたらめっちゃ登った

 

精神というのは不思議なもので、

さっきまで空っぽだった僕らの体に満ち満ちとエネルギーが湧いた。

 

そして登った。

 

Kくんはついに足をつった。

 

しかし僕らは登った。

 

残しておいたエムアンドエムのチョコレートを

一つ一つ噛み締めながら登った。

 

そして3時過ぎ、

 

3000m地点まで来た。

 

ボルカン 登山 5

 

この地点で見えたもの。

 

それは深夜の山は相変わらず真っ暗だということ。

そして登った山は必ず降りなければならないという事実だった。

 

 

相変わらずゴールの標高がどのくらいかもわからないけれど

それでも僕たちは少しずつ歩みを進めて

一歩一歩ゴールへと近づいている。

 

 

 

次回。最終回。

 

 

 

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